コロナ挟んでベトナムの景気が悪い。 確かにコロナもあった。 でも、強烈な政府統制力の国で、あれだけ社会資本投資を抑圧したらそりゃそうなるだろう。
ホーチミンで政府による新規の建設プロジェクト凍結が始まったのは、2019年頃だっただろうか。 理由は良くわからないが、余りに狂乱したホーチミン不動産の状況に政府が冷や水を掛けたかったのは間違いなかろう。
2010年頃は㎡1、000USDに満たなかったホーチミンが、第一次不動産バブル(2012頃)に高騰、一度落ち込むも2015年の外国人への不動産市場開放で2020くらいまでバッチバチに値上がり、トゥーティエム地区では㎡6,000USDだ、7,000USDでプレビルド販売するぞとお祭り騒ぎで流石にホーチミン相場を知る一部外国人たちからはしらけムード。
確かにそこそこのボリュームで存在する富裕層は相当に金持ちだが、この国はまだ、国民の平均年収が3,500USD程度なのだ。
2016年にセントラルパークが㎡2,500、ゴールデンリバーが㎡3,800で売られていた事を知る人たちは確実にこの相場には調整が必要なのを知っていた。
そして政府も知っていた。
要は、妥当な価格で取引されているのはセントラルパークやゴールデンリバーまでの物件で、それ以降はバリューに対し割高を抱えてませんか?と市場も感じ始めていた訳です。
ASEANあるあるの、「新築プレビルドで、デペロッパが勝手な値段を付けてバリュー乖離していく景色のプチ入り口」にあの時のホーチミンはあったのかもしれません。
但しどうしても社会主義者の考える経済政策は、洋の東西を問わず市場の挙動を逆に動かす作用が大きく。また、波及する害悪に思いを巡らせる事が自由主義経済国の思慮深さに及ばないのは数多の例がそれを証する。
新規プロジェクトの認可を降ろさずに市場の供給を抑制して冷や水かければ、市場は供給不足になり一時的に更なる需給バランスに悪影響を加味し価格高騰を呼ぶ。その後のリセッションをより大きくしてしまう。
また、日本で建設業の隅っこに従事している私としては、「建設市場をそんなに急激に絞ってしまったら、建設関連産業を含め過大なGDP押し下げ圧力が働くじゃないか」と想像するところだが、硬直し極端に振れがちなベトナム政府の政策はそれを過度に推し勧めた。
政府の土地を払い下げる入札があったが、政府の想定以上の価格であまりに高額な応札があったため、なんと政府はその入札を無効にしてしまった。。。
*実際問題落札企業の与信問題もあったが https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/01/995fb7408fec981c.html
そこに起きたのが、コロナパンデミックと、社会停止策。 中国上海で行われた様な強度の社会停止策がベトナムでも執り行われた。
今現在、ベトナム経済はかなりの痛手を抱えている。
営業停止に近い、新規プロジェクトリリースが出来ないデペロッパーはボロボロになっている。
倒産も今以上に急増するだろう。
フラッグシップの航空会社は倒産秒読みになっている。
国内5番目の銀行はデペロッパ倒産による「取り付け騒ぎ」で破綻をした。
不動産をフルレバで購入していたベトナム人は、完成時の最終決裁が出来ずに手持ち物件や予約物件を投げ売りを開始している。
ローカルの不動産市況はクラッシュ目前。
ただし、外国人市場は平穏を保っている。
次号は、「ホーチミンに立つ2つの市場-外国人物件マーケット」に続く
By soyano
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